今回は夫が銀座のマドラスというシューズブランドで初めでオーダーシューズを購入したときの体験談をお伝えします。
■購入者プロフィール
- 年齢:38歳
- 職種:自営業
- 悩み:幅狭甲低で足にフィットする靴が見つからない
- 今回の目的:営業でスーツを着る時に履く革靴が欲しい
夫が普段愛用しているのはNBのスニーカーです。足の形が一般的なサイズより細いのでNBのDサイズ(やや細い)じゃないと靴ヅレをしてしまうからデザインなどで他に気にいる靴を見つけても、NBのスニーカーを何度もリピートしています。
スニーカーはなんとか自分の足に合うものに出会えて良かったのですが、革靴はまだ出会えていなかったので、ボロボロになり買い替えを考えなければいけないタイミングが来て、「合う靴がないなら作るしかない」と、オーダー靴について調べたところマドラス(madras)に出会いました。
「靴のオーダーなんて敷居が高いな」なんて思っていましたが、6万円でオーダーシューズ作れるとのことだったので、一度購入したら何年も履くしと、思いきって初のオーダーに挑戦しました。その時の話が参考になれば幸いです!!
マドラスオーダーシューズシステム(MOSS)で初オーダーに挑戦

マドラスとは1946年にイタリアのヴェネツィア郊外バノッサで生まれたシューズブランドです。
イタリアの革製品と言えばフィレンツェが有名ですが、ヴェネツィアにはとても多くの革製品が販売されています。
90年以上に渡る靴づくりの歴史と日本の気候風土、体格に合わせたシューズであり1級品であることは間違いありません。
オーダーの流れ
早速本題の体験談に移りましょう。
マドラス銀座店に行きました。銀座店は2階がオーダーシューズエリアです。
夫は思いついたらすぎ行きたくなてしまう性格ですので、オーダーしようと思い立った日に、平日だし大丈夫だろうと予約なしにお店に向かいました。
【一番重要】ヒアリング・デザイン決め

最初はサンプルをざっと眺めました。
マドラスオーダーシューズシステムというのは、フルオーダーではなくセミオーダーなので、デザインや色などの組み合わせに限界がありますが、そうは言っても無限大に感じてしまうほどバリエーションが豊富なので、目的を明確にさせておかないと、いつまでも悩んでしまうほど、どれも魅力的でした。
4つの選択
- 靴先の形状
- カラー(インナーカラーも)と素材(牛革、起毛革、型押し革)
- 靴先の装飾
- 甲部分のデザイン(靴ひものある部位)
カラーについて、革製品なので数年で色味の変化があるのか質問したところ、多少色味は変わるが、工賃4,000円程度で磨き上げや修繕ケアなどで色味を戻すことができるとのことでした。
そのため色の変化を見越したカラー選びではなく、今気に入った色を選べるところは嬉しいですね。
ヒアリングの様子

サンプルを眺めていると女性店員さんが接客についてくれ、ヒアリングが始まりました。
パンフレット状になっているカタログを貰い、それを見ながら順番に上記の4つを決めていきます。
一応HPを見て「この組み合わせにしよう」とイメージがあったのですが、あまりにもサンプルが魅力的で、『スーツ営業するときに履く革靴』が目的だったのに『私服でも合わせやすい革靴』が良いかもなんて欲が出てしまい、暫く悩み始めた夫(笑)
この時夫は私服でお店に行ったのですが、サンプルは試着できるので、当たり前の話ではありますが合わせるスーツを着ていってた方が良かったです。
(夫の場合、合わせたいスーツを着ていこうとして、いつのまにかお腹が出ていてギリギリ入らず、今鬼のダイエット中なのです。)
ヒヤリングの感想
仕事でも私服でも合わせられるやつないかな、なんてブレ始めてからデザイン選びが難航し、店員さんに相談したものの、「そうですねー、一番はお客様が気に入ったものを選ばれるのが一番かと思います~」的なザ・当たり触りのないコメントが返ってきていました笑
そりゃそうですよね。ビシッとこれが良いです!なんて言えないと思いますし、そこは自分で決めるしかないです。うん。
夫の後ろ姿を見て、これは1人で来ていたら、決めきれずに一度家に帰ってきていたかも。なんて思いながら、後ろから様子を見守っていました。
なので、ブレる自信のある人は、相談役になってくれる人を連れていくことをオススメします。
デザインは結局当初の目的通り、『スーツに合わせる革靴』というテーマでフォーマル感の強いデザインにしました。
採寸

採寸用の椅子に座り、住所など顧客情報用のシートに記入をしながら採寸の準備が終わるのを待ちます。
壁が青く、飾ってある絵を見ると、まるでイタリア気分でした♪
私たちは新婚旅行でヨーロッパに行き、ミラノ・ヴェネツィア・フィレンツェ・ローマと周りましたが、ヴェネツィアが一番良かったです。
話を戻しますが、採寸で気になることを質問しました。
私のように足のサイズに難を持っている人なら聞きたい質問ではないでしょうか。
その答えは様々なサイズのラスト(木型)を用意しており、採寸して一番近いラストを元に靴を作ること、さらに仮縫いの時に、調整をするので心配不要とのことでした。
ラストうんぬんの話は後述します。ここでは靴擦れの心配はしなくても良いという事だけ理解できればOKです。
採寸のちょっとおかしな体験談

採寸の所要時間は20~30分です。
左右の足長・足囲・甲周りを計っていきます。
計測するのに下に紙をしくのですが、何度も紙を変え、採寸が進みまず、「うーん?」と思っていると、女性店員さんが店長さんを呼びにいきました。
なんと夫の足はあまりにも変わっていて、店員さんには計測ができなかったようです(笑)

計測は無事に終わりました。
左右の足長の差が1㎝も無かったのがわかったりして少し面白かったです。
支払い
前払いなので、注文した日に支払います。
余談ですが、オーダーしたあとせっかく銀座に来たのでmen’sのファッションブランドをいくつもハシゴしました。
ハイブランドばかりを見ましたが、値段もブランドによってはマドラスのオーダーより高い!!
まだ出来上がってもないのに?と思うかもしれませんが、サンプルを見れば一目瞭然です。
夫と一緒には「良い買い物したなぁー」と、とっても良い気分で帰宅しました。
仮縫い



仮縫いが終わったので、試着しに行きました。靴はまだ染める前の革の色なので、ちょっと新鮮!
フルオーダーではなく、数百種類の木型から一番合った物で作ってもらっているんで、たとえ採寸していても、ジャストフィットはしていませんでした。
しかし、店長さん自らが触ってフィット感を確認してくれます。
■夫の場合
- 左足のかかとが浮くので、土踏まずあたり(ウエスト)を絞る
- 右足の甲がブカブカ
- 踵の芯があたるので痛くなる気がする
1と2は店長さんの方で「●ミリ調整しますね」と触ってすぐ判断してくれます。
●ミリとか自分じゃわかりませんからね(笑)
とにかく履いて、フロアを歩いてみて、感じたことを伝えるだけでした。
ただ、3か所直してもらうところがあっても、フィット感で選んだNBのスニーカーよりフィット感がありました!!
これからは革靴を常時履くかもしれません。それぐらい歩きやすそう!という期待があります。
修正後また試着を希望する場合は納期が更に1ヶ月伸びます。
不安な方は、もう一度仮縫い試着を行いますが、私は早く必要なので、再度仮縫い試着はせず、このまま本制作に移ってもらうことにしました。

オーダー内容と完成品
【オーダー内容】
靴先:ビークトゥ
メインデザイン:内羽根
靴先装飾:ストレートチップ
カラー:ブラウン
インナーカラー:グリーン
靴底:メリソール半貼(オプション+3,000円)
メインデザインは、内羽根とモンクストラップのどちらにするかでかなり悩みました。
マドラスを選んだ理由4つ
マドラスオーダーシューズシステム(MOSS)を選んだ理由は下記の4つです。
- フルオーダーの半分以下の価格であること
- 靴ヅレの心配がない
- 納品が早い
- マッケイ製法
フルオーダーの半分以下の価格の6万円

革靴をフルオーダーすると最低20万円はかかります。それに比べてマドラスは6万円。
お財布に優しいので、初めてのオーダーには良いんじゃないでしょうか。
どうしてマドラスオーダーシューズシステム(MOSS)はオーダーより安いのかというと、「1人1人専用のラスト(木型)を作らないから」の1点です。
じゃあ、どうやってフィットさせるのかと言うと、数百という様々なサイズのラスト(木型)を作っておき、その木型の中から最適の1つを選ぶという仕組みです。
ですから、素材や職人の質や技術がフルオーダーに劣っているわけではありません。
夫の場合オプション料金のものを1つ選んだので63,000円+税の金額で作ることができました。
オプションを一切選ばなければ60,000円+税です。
靴ヅレがなくなる
上記の説明と被ってしまいますが、採寸し最適なラスト(木型)で作ってもらえるので、足にフィットします。
また、仕上げ前にフィッティングがあり、そこで最終調整ができるので、安心して沢山歩くことができます。
ちなみに、甲が低い人や足がむくみやすい人は、紐を使うデザインにすることである程度調整したほうが良いそうです。
納品が早い
フルオーダーにするとラスト(木型)から作るので、半年・1年は待たなくてはいけませんが、マドラスオーダーシューズシステム(MOSS)の場合は約2ヶ月で完成します。
「繁忙期だと3~4ヶ月かかる」と言っていました。
それでも、フルオーダーと比較するとかなり短期間で完成するので、助かります。
マッケイ製法である
マッケイ製法であると聞いても何それ?ですよね。
マッケイ製法の一番の魅力は、『軽さ』です。
夫の場合、沢山歩くので靴は軽い方が良いので、マッケイ製法であるのは何よりも嬉しいことなんです。
重さだけでも十分なのですが、マッケイ製法だと本底の縁周りが外側にはみ出し過ぎないので、フォルムのスマートさが全然違います。
これは実際店舗に行って、サンプルを見ればすぐわかります。ぜひ見比べて見てください。
来店する前にやって良かったこととやっておけば良かったこと
多少の知識を付けると良い
勉強と言うほどではありませんが、多少の知識を身に付けていました。
参考になった漫画⇒IPPO
この漫画はイタリアのフィレンツェの有名シューズブランドで修業し職人になった青年が、日本でお店を持ち色々な人から受注を受け、革靴を作るお話の漫画です。
かなり本格的な漫画で、靴がどうやって作られるのかという基本的なことから、マッケイ製法などの説明もしっかり書いてありました。
この漫画の中には、夫と全く同じ『初めてのオーダーで、普段はスニーカーを履いている』お客さんがオーダーに来て、青年がそのお客さんが注文しやすいよう提案した内容は、夫の靴選びのとても参考なっています。
なにより、革靴の魅力を教えてくれる素晴らしい漫画です。
夫を悩ませた「モンクストラップ」デザインも登場しますよ!(笑)
とてもオススメできるので、ぜひ時間に余裕があれば、この漫画を読んでからオーダーしに行ってください。
必ず、あなたのデザイン決めの役に立ちます。
ピッコマだったら1日1話無料で読めます。
どんなシーンで履きたいのかのイメージを明確にする
夫はスーツに合わせる革靴だったので、フォーマルなデザインであることが前提でした。
もし、私服に合わせて履くのであれば、もっと迷っていたと思います。
公式HPを見れば組み合わせ例や、可能な組み合わせパターンなどがわかりますよ。
ダイエット
最後の採寸から2~3年経っていたら採寸をする理由を聞きました。
加齢によって足の形が変わるからだそうですが、加齢以外にも体重の増減でも足の形が変わるそうです。
夫は結婚してから結構お腹がでてしまい、今ダイエットしているので、本来であればダイエットに成功してから靴を作ったほうが良かったです。
ただ、夫の場合はもう持っている革靴がボロボロなので、なるべく早く欲しかったという理由から、ダイエット途中の今靴を作ることにしました。
仮縫いの時までにある程度体を絞ろうという無謀な目標でダイエットを頑張っています(笑)
だから、もしあなたが靴を作るまでに時間の余裕があるのであれば理想の体型にしてから作ることをお勧めします。
これから革靴をオーダーする人へ
先ほど紹介した漫画がわかりやすかったのでぜひ漫画を読んで、革靴の製法とかを少し頭に入れておくと、自分の目的にあったものがわかります。
どんな時に履く靴が欲しいのか。自分をどんな風に見せたいのか。を店員さんや相談相手にに伝えられると、多少気持ちがブレても失敗はしないはずです。
この記事を読んだあなたが、素敵な靴がオーダーできますように。
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